心療内科・精神科
心療内科はストレスなどの心理的な要因から頭痛や腹痛、下痢などの身体症状をきたす疾患を扱う診療科です。
精神科は気分の落ち込みや不安、イライラ、幻覚妄想といった症状を扱う診療科です。
心療内科・精神科では、お一人おひとりの状態やお気持ちに寄り添いながら、丁寧にお話をうかがい、その方にとって最も適した方法を一緒に考えてまいります。
必要に応じて、お薬による治療や日常生活の過ごし方についてのアドバイス、環境調整のご提案などを通じて、こころとからだの回復をサポートいたします。
以下のような悩みをお抱えの方は、ご相談ください。
- 仕事に行けない、涙が勝手に出てくる
- 気分が落ち込む、何もやる気が起きない
- 寝つきが悪い、何度も目が覚める
- 動悸や息苦しさが続く
- 人前で過度に緊張する
- 頻回に手洗いをしてしまう、何度も戸締りを確認してしまう
- イライラすることが増えた
- 周りの人が悪口を言っている気がする
- 内科では異常がないが腹痛や下痢が続く
- 物忘れがひどい
当院で対応可能な主な疾患
- うつ病
- 躁うつ病
- 適応障害
- 不眠症
- パニック障害
- 社交不安障害
- 強迫性障害
- 統合失調症
- 心身症
- 認知症
※なお、摂食障害、PTSD、パーソナリティ障害、各種依存症については特別な治療プログラムを要することが多く、当院では原則対応しておりませんので、何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。
児童精神科
児童精神科は、子どもや思春期の方のこころの不調や発達の課題について専門的に診療を行う診療科です。当院では小学生から高校生までを対象としています。
成長の過程で、子どもたちはさまざまな変化や悩みに直面します。
学校や家庭での困りごと、対人関係、感情のコントロール、集中力など「ちょっと気になる」「育てにくさを感じる」といったことも、実はこころや発達のサインかもしれません。
児童精神科では、お子さまや保護者の方から丁寧にお話をうかがい、必要に応じて学校・関係機関との連携も行いながら、診断・支援・治療を進めてまいります。
お薬が必要な場合には、成長への影響にも十分配慮したうえで慎重にご提案いたします。
以下のような悩みをお抱えの方は、ご相談ください。
- 学校に行けない
- 朝起きられない
- 眠れない
- 気分が落ち込む
- 不安で仕方ない
- お腹が痛くなる
- 授業に集中できない
- 忘れ物が多い
- 落ち着きがない
- 集団行動が苦手
- チックがある
- イライラがおさえられない
- 友達とうまく関われない
- こだわりが強い
- 確認行為を繰り返す
当院で対応可能な主な疾患
- 適応障害
- 社交不安障害
- 強迫性障害
- パニック障害
- 発達障害(ADHD・ASD)
- 知的障害
- チック症
- うつ病
- 躁うつ病
- 不登校
発達障害
学校や職場などで「周囲とうまく合わせにくい」「同じミスを繰り返してしまう」「人との関わりで疲れてしまう」——。
そのような生きづらさを感じている方の中には、発達特性が関係している場合がございます。
当院では、発達障害の診断や治療だけでなく、環境調整や福祉サービスの利用を含めた相談を行っています。
患者様一人ひとりが自分らしく過ごせるよう、日常生活の工夫や職場・学校でのサポート体制づくりなどを一緒に考えてまいります。
ADHD
注意欠如多動症(ADHD)は、注意のコントロールや行動の抑制が難しいという特性があります。
「集中が続かない」「落ち着かない」「思ったことをすぐ口にしてしまう」などの特徴がみられます。
大人になってから気づくケースも少なくありません。
「不注意」の特徴例
- 活動に集中できず、気が散りやすい
- 物をよくなくす、提出物や約束を忘れやすい
- 優先順位をつけるのが苦手
- 段取りがうまく立てられない
「多動性・衝動性」の特徴例
- 落ち着いて座っていられない、そわそわする
- 会話中に相手の話をさえぎってしまう
- 順番を待つことが苦手
- 思いつきで行動して後から後悔することが多い
これらの特性は「性格の問題」ではなく、脳の働きの特性によるものです。
環境調整や生活習慣の工夫、薬物療法などを組み合わせることで、生活のしづらさを軽減できます。
ASD
自閉スペクトラム症(ASD)は、対人関係やコミュニケーションの取り方に特徴がある発達障害です。
「人との会話が疲れる」「空気を読むのが難しい」「自分のペースを崩されると強いストレスを感じる」などの形で現れます。
ASDの主な特徴例
- 言葉や表情、視線など非言語的なやり取りが苦手
- 相手の気持ちを読み取るのが難しい
- 興味・関心が特定のことに集中する
- 音・光・匂いなどに対して過敏、または鈍感
- 手先の不器用さや運動のぎこちなさがある
- 物事のルールや手順を守ることに強い安心感を感じる
ASDの方は、得意なことと苦手なことの差が大きい傾向があります。
その特性を理解し、強みを活かす環境を整えることで、生活や仕事のしやすさが大きく変わります。
サポートの方針
当院では、特性の理解を深める心理教育、学校・職場への環境調整の助言、福祉サービス(放課後等デイサービス・就労支援事業所など)利用の相談、必要に応じた薬物療法などを行い、長期的なサポートを心がけています。
発達障害の確定診断にあたっては、心理検査(WISC、WAISなど)による客観的な評価が重要となります。
当院ではこれらの検査を実施しておりませんが、必要に応じて外部の専門機関(自費)をご紹介いたします。
すでに他機関で検査を受けたことがあり、結果をお持ちの場合は、その資料をもとに判断させていただくことも可能です。
検査の結果を踏まえて、支援方針を一緒に考え、患者様がより過ごしやすい環境を整えられるようサポートいたします。
働く人のメンタルヘルス
現代社会では、多くの方が仕事を通じてさまざまなストレスを抱えています。
仕事のプレッシャー、人間関係の悩み、職場環境の変化――。
責任感の強い方ほど、「頑張らなければ」「自分だけが弱いわけではない」と無理をしてしまい、心身に大きな負担をかけてしまうことも少なくありません。
こうしたストレスを放っておくと、気分の落ち込み、集中力の低下、眠れない、食欲がないといった症状が現れることがあります。
それでも、「仕事が休めない」「もう少し頑張れるかもしれない」と受診をためらい、症状が進んでから来院される方も多く見られます。
メンタルヘルスの不調は、早期の対処がとても大切です。
勤務形態の工夫や休息の取り方、ストレスコントロールの方法などを一緒に考え、無理のない回復を目指します。
また、休養が必要な場合には、日常生活での療養の仕方やリハビリについて丁寧にアドバイスを行い、社会復帰までの過程をサポートしてまいります。
「仕事を続けながら」「一歩立ち止まりながら」――
それぞれのペースに合わせた治療を大切にしています。
心理検査について
当院では、必要に応じて簡易的な心理検査を実施しております。
たとえば、気分の状態や不安の程度、不注意の傾向などを把握する目的で、質問紙やチェックリストを用いた検査を行う場合がございます。
なお、WISCやWAISといった知能検査や発達検査など専門的な心理検査については、現在当院では実施しておりません。
これらの検査が必要と判断される場合には、適切な外部の専門機関をご紹介させていただいております(自費)。
検査の必要性や内容についてご不明な点がございましたら、診察時にご相談ください。
